屋良ムルチ

☆新米社長☆

2006年04月30日 22:20









むかし、むかし屋良(ヤラ)の漏池に大蛇が住んでいて、夜な夜な家畜や農作物を喰い荒らし、大風を吹かせたり、長雨を降らしたりと村人たちを困らせた。村人たちは、大蛇を鎮めるために、毎年14、15歳になる娘を生贄にして大蛇にささげるのが慣わしとなっていた。ある年、村の貧しい娘が道に建てられた「生贄になった娘の遺族には、村から必要以上の報酬を与える」と記された板札を見かけ、母や弟のために、自分から申し出た。家族のために、自分の命を捧げることを決心した娘は、池の前に供えられた。やがて大蛇が現れ娘を食べようとしたその時、神が現れ大蛇を退治し、娘は、救われた。その話が組踊りの「孝行之巻」の節にもなっている。「屋良漏池(ヤラムルチ)は、嘉手納町の比謝川(ヒジャガワ)の上流にひっそりと現存し、昔は、鬱蒼とした密林に囲まれ、人を寄せ付けず古くから大蛇伝説が伝えられるだけあって不気味に静寂を保っている、現在では、目前に嘉手納飛行場がフェンス越しに広がり、交通量の多い道路側入り口付近に小さな看板が建っている。

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